熊本県の平均家計資産が低い理由とは?所得水準から読み解く現状とこれから
「熊本県の人は、実際どのくらいお金を持っているんだろう?」
熊本で生活していると、ふと気になることがあります。
特に、貯金や投資、老後資金などを考えるようになると、自分が全国的に見てどのくらいの位置にいるのか気になりますよね。
そこで今回は、熊本県の平均家計資産が全国でどのくらいの位置にあるのか、なぜ資産額が低めなのか、そして今後熊本の所得や資産形成がどう変わっていく可能性があるのかについて考えてみたいと思います。
熊本県の平均家計資産は全国38位?
全国47都道府県の家計資産を比較すると、熊本県は約2,366万円で全国38位という位置にあります。
九州の中心都市である熊本市を抱え、人口も多く、農業も盛んな熊本県。
「意外と低いな」と感じる人もいるかもしれません。
もちろん、ここでいう「平均家計資産」は、すべての熊本県民が2,366万円を持っているという意味ではありません。
若い世代もいれば、高齢者もいます。
住宅ローンを抱えている家庭もあれば、すでに住宅ローンを完済している家庭もあります。
そのため、平均値だけで「熊本県民はお金を持っていない」と判断するのは少し危険です。
それでも、都道府県別の傾向を見るうえでは、一つの目安になります。
では、なぜ熊本県の家計資産は全国的に見ると低めなのでしょうか。
一番大きい要因は「所得水準」
資産形成を考えるとき、非常に重要なのが「収入」です。
当たり前の話ですが、毎月の収入から生活費を支払い、残ったお金を貯蓄や投資に回していくことになります。
つまり、
収入が多い → 貯蓄・投資に回せるお金が増える → 資産が増えやすい
という流れがあります。
反対に、収入が少なければ、生活費だけで精いっぱいになり、なかなか資産形成が進みません。
熊本県の所得水準は、全国平均と比較すると低めの水準にあります。
これが家計資産にも影響していると考えられます。
では、なぜ熊本県の所得は全国平均より低くなりやすいのでしょうか。
熊本県の所得が低めになる5つの理由
① 産業構造の違い
熊本県は、農業が非常に盛んな県です。
トマトやスイカ、葉たばこなど、全国的にも有名な農産物があります。
農業は熊本の大きな強みですが、一方で、企業の平均給与という観点から見ると、金融、IT、コンサルティングなどの高付加価値産業とは構造が異なります。
また、観光やサービス、小売などの産業も地域経済を支えています。
これらは熊本県にとってなくてはならない産業ですが、一般的に高い給与を得られる専門職や本社機能が集中する都市部と比べると、所得水準が上がりにくい傾向があります。
② 大企業の本社機能が少ない
東京や大阪などと比較すると、熊本には全国規模の大企業の本社や、本社機能がそれほど多くありません。
企業の本社には、
- 経営職
- 管理職
- 研究開発職
- IT専門職
- 法務・財務などの専門職
といった比較的高所得になりやすい仕事が集まります。
こうした仕事が多い地域ほど、平均所得も上がりやすくなります。
熊本の場合、地域経済を支える企業は数多くありますが、「高所得の仕事の数」という点では、東京などとの差があります。
③ 若者が県外へ流出する
これも熊本に限った話ではありません。
大学進学や就職をきっかけに、若い人が福岡、関西、関東などへ移り住むケースがあります。
特に、大学卒業後に高収入の仕事を求めて大都市圏へ移る人が多くなると、地域に残る労働人口の構成にも影響します。
「熊本で働きたい」と思える高待遇の仕事が増えれば、この流れも変わってくるかもしれません。
④ 非正規雇用の影響
小売業、飲食業、観光業、サービス業などでは、パートやアルバイトなどの非正規雇用も重要な役割を担っています。
しかし、一般的には正社員と比較して非正規雇用の年収は低くなりやすいため、地域全体の平均所得を押し下げる要因の一つになります。
これは個人の能力の問題ではなく、地域の産業構造や雇用環境によるところが大きいでしょう。
⑤ 熊本地震などの災害
熊本は2016年に大きな熊本地震を経験しました。
さらに、その後も豪雨などの自然災害に見舞われています。
住宅や店舗、農地、企業設備などに大きな被害が出れば、当然ながら地域経済にも影響します。
復興によって経済活動は回復してきましたが、熊本の経済を考えるうえで災害の影響を無視することはできません。
しかし、熊本には大きな「変化の芽」があります
ここまで熊本県の資産や所得について少し厳しい話をしてきました。
しかし、個人的には熊本には非常に大きな可能性があると思っています。
その最大の理由が、半導体産業の集積です。
熊本県菊陽町には、世界的な半導体メーカーであるTSMCの工場が進出しました。
これによって熊本には、半導体関連企業が集まり始めています。
半導体産業には、
- エンジニア
- 技術者
- 製造関連
- 設備・インフラ関連
- 物流
- メンテナンス
- IT関連
など、非常に幅広い仕事が関係します。
そして、これまで熊本になかったような高付加価値の仕事が増えれば、地域の所得水準そのものが変わっていく可能性があります。
「半導体バブル」で熊本の給料は上がる?
ここは今後注目したいところです。
一つの大企業が工場を建設するだけなら、影響は限定的かもしれません。
しかし、関連企業が次々と熊本に進出し、そこで働く人が増えれば話は変わってきます。
高所得の技術者が熊本に住む。
住宅を借りる。
車を購入する。
飲食店を利用する。
休日に観光する。
子どもを学校に通わせる。
こうした一つ一つの消費が地域経済を回します。
さらに企業が増えれば、そこで働く人を確保するために給与や待遇を改善する動きが出る可能性もあります。
そうなると、半導体産業だけではなく、熊本全体の所得水準が底上げされる可能性があります。
熊本県の「平均資産ランキング」は今後変わる?
ここが一番気になるところです。
現在の熊本県は、家計資産ランキングでは全国上位とは言えません。
しかし、今後10年、20年という長期で見ると、状況が変わる可能性があります。
もし熊本県で、
高所得の仕事が増える
↓
県内の所得が上がる
↓
貯蓄・投資に回せるお金が増える
↓
住宅や金融資産などの家計資産が増える
という流れが生まれれば、熊本県の家計資産ランキングも上昇する可能性があります。
もちろん、物価上昇や住宅価格の上昇などもあるため、単純に「所得が上がれば資産ランキングも上がる」とは限りません。
それでも、熊本にとって半導体産業の集積は、これまでとは違った経済環境を作る大きなきっかけになるでしょう。
熊本に住む私たちはどうすればいい?
熊本の所得が上がるかどうかは、個人ではコントロールできません。
しかし、自分自身の資産形成は、自分でコントロールできます。
たとえば、
- 給料が上がった分をすべて使わない
- NISAなどを活用して長期投資する
- 無駄な固定費を見直す
- 退職後に必要な資金を早めに計算する
- 資格やスキルを身につけて収入アップを目指す
といった方法があります。
「熊本県の平均資産が低いから、自分も資産が少なくて当然」と考えるのではなく、
地域の平均とは別に、自分の資産をどう増やしていくか
を考えることが重要なのだと思います。
まとめ:熊本はこれから面白くなるかもしれない
熊本県の家計資産が全国的に見ると低めなのには、所得水準、産業構造、大企業の本社機能、若者の県外流出、非正規雇用、そして過去の災害など、さまざまな要因があります。
一方で、TSMC進出をきっかけとした半導体産業の集積は、熊本経済にとって大きな転換点になる可能性があります。
これから高所得の仕事が増え、若者が「熊本で働きたい」と思える環境ができれば、熊本の所得水準も少しずつ変わっていくかもしれません。
そして10年後、20年後。
「昔は熊本って所得が低い県だったんだよ」
そんな話をする時代が来る可能性もあります。
熊本に住んでいる私たちにとっては、これからの熊本経済がどう変わっていくのか、非常に楽しみなところです。
「熊本はこれからお金持ち県になれるのか?」
今後の人口、所得、企業進出、住宅価格、そして家計資産の変化を追いながら、これからも考えていきたいと思います。



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