日本人としては数少ない「行動経済学」博士課程取得者である著者が書いた本を紹介します。
この本を読むと「良い意思決定ができる」ようになります。
私たち人間は1日に最大3万5千回もの意思決定をしていると、ケンブリッジ大学の教授が解明しています。
例えば、何を着るのか?何を食べるのか?何を買うのか?スタバで何を頼み、どの席に座るのか?ですね。
今、最も学ぶべき学問は行動経済学
このような様々な小さな意思決定によって、人気のサービスや商品が生まれ、経済が作り上げられています。
つまり、ビジネスで、成功するためには行動経済学を活用して人々の意思決定や行動を理解する事が鍵になるのです。
そのため、今世界ではGoogleやAmazon、Apple、Netflixなどのトップ企業で行動経済学を学んだ人材の争奪戦が繰り広げられています。
行動経済学を学ぶ事で、「なぜ人がそれを選ぶのか?」が理解できるようになるし、消費者として企業の行動経済学の戦略を避ける事もできるようになります。
行動経済学はなぜ生まれたのか?
行動経済学は、元々は「経済学」という学問の1つでした。
経済学では「人間は常に合理的に行動する」という前提で物事を考えているものでした。
しかし、「人は非合理的な、生き物です」
ダイエット中なのについつい食べてしまったり、将来に対しての貯金なのに、好きな物を買ったりします。
また、飛行機事故のニュースを見た後に車より飛行機の方が安全なのにも関わらず海外旅行をキャンセルする人がいます。
このように、人は必ずしも合理的な行動を取るとは限らないと分かってきた為
人間の非合理な行動を考慮した学問として20世紀半ばに経済学と心理学の要素を組み合わせた行動経済学が誕生しました
私たちが何となく行動しているかも知れませんが、行動の前には意思決定が行われています。
何となく座った席や手に取った商品も何らかの意思決定の上に成り立っているのです。
行動経済学はその「何となく」を明らかにする学問なのです。
人が非合理な意思決定をする原因
先程も触れましたが、飛行機事故のニュースを見た後に「やっぱり飛行機は危ないんだな」
と恐怖を感じます。
そして、海外旅行から車での国内旅行に変えたりします。
しかしよく調べると
飛行機で○亡する確率は0.00048%なのに対して
自動車による○亡事故確率は0.9%だと言う事が分かります。
つまり、事故で○亡したくなければむしろ、車ではなく飛行機で旅行した方が良いのである。
このように入ってきた情報が先入観や偏見によって歪められ意思決定が歪められる現象を
「認知のクセ」と呼ばれています。
この時に私たちの脳内では何が起こっているのかを掘り下げて考えます。
2つの思考モード
実は私たちの脳は入ってきた情報を「システム1」と「システム2」と2つの思考モードを使い分けて処理しています。
システム1は「直感」で素早く情報を把握、判断するものです
システム2は「論理」で時間がかかってもじっくりと物事を考えて情報を把握するものです
先ほどの飛行機事故の場合でいうと、
海外旅行を辞めようとする直観的な判断は「システム1」による判断で
その後の冷静な判断は「システム2」によるものだといえます。
このように私たちは情報処理をこの2つのシステムで行われているのです。
直感的な『システム1』は誤った判断をしやすい
「システム1」は直観的で素早く判断するため選択ミスが頻繁に起こりやすいです。
衝動買いなどですね。後で後悔したりします。
選択ミスを減らす為には、「システム2」で深く考えてから行動した方が良いということですね。
しかし、全ての物事を深く考えて行動してしてしまうと酷く疲れてパンクしてしまい行動出来なくなるのです。
その為、人間の脳は基本的には「システム1」が働いて多くの行動を決定するようになっています。
戦略としては「ここは大事な選択だ」と言う場面ではシステム2でじっくり時間をかけて考える必要があります。
どうでも良い、電車でどこに座るのか?どのトイレットペーパーを買うのか?などは直観のシステム1で決めるといいでしょう。
疲れていると『システム1』を使いがちになります
疲れていると深く考えるエネルギーがなくなり、システム1が優勢になってしまうからです。
実際に多くの研究で疲れていたり、体調が悪かったり、時間がない時、情報が多い時は「システム1」で意思決定してしまいやすい事が分かっています。
例えば、投資では膨大な情報や決算書を読み解くのは難しい、その為結局「この商品が好きだから」とか「このデザインが好きだから」とかで直観的に選んでしまうことがあります。
また、時間限定のタイムセールや、数量限定の商品などで不要な商品を買ってしまうリスクが高まります。
疲れている時は、レジ横のまんじゅうを買ったりしませんか?
大事な意思決定をするならしっかりと休息を取り余裕を持って考えることが必要になります。
些細な環境の変化が人の意思決定や行動に影響を与えている
天気や周囲の人々、物の配置や時間などの周りの環境が、私たちの判断や行動に大きく影響を与えています。
例えば人は周りに誰もいないと安いものを買い、周りに1人でもいると無意識に高いものを買う傾向にあります。
やっぱり他人にはケチとか貧乏とか思われたくないからですね。
また、Netflixではベーシック、スタンダード、プレミアムの3つの料金プランがあります。
この中で多くの人は中間のスタンダードを選びます。
これは、コスパが良いというのもあるのですが、選択肢が3つある場合人は中間を好んで安心感を選ぶ傾向にあるのです。
その他にも選択肢が多すぎると選ぶことができない事が知られています。
例えばお店にチョコレートを置く場合10種類までがベストと言われています。
それを超えるとお客さんは商品を選びきれずに帰ってしまう傾向にあるそうです。
このように周りの影響を多く受け人は判断して行動しています。
そして面白いのは私たちがこの影響を受けているのにも関わらずに、それに気付かずに自分の意思で選んでいると勘違いしている所です。
これが行動経済学の面白いところです。
自分ではなく状況を変える
状況を整えてそれを実生活に活かす事が重要になります。
具体的には、どうでもいいことは選ばないと工夫をする
例えばスティーブ・ジョブズがいつも同じ服を着ているのは毎日の服装に意思力を使いたくないからだそうです。
オバマ大統領も3着しかスーツを持っていなかったと述べています。
毎日の格好よりも、大事な判断をする為に、脳のリソースを残して置きたかったようです。
また部下に選択を選ばせる事も大事です。
時間帯を変えるのも良いです。
脳は日中の意思決定により、夜はシステム1が優位に立ちやすいのです。
大事な事は、朝に考えて行動するです。
ついつい、勉強や副業を怠けてしまうのなら朝早く起きて取り組むというふうに工夫すると成功しやすいです。
人は感情に動かされます
辛いことが多い時はネガティブな判断になりますし
明るい出来事や嬉しい事があった場合、ポジティブな、判断をしやすいです。
あとがき
行動経済学って面白いですね。
もし、来世があればしっかり大学で学んでおきたい学問です。
ここには書ききれないほど、面白い事例が多々載っていますので、是非購入してお読みください🍀
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