全国展開している西松屋、店内は無音ですよね
今では音楽がかかっていないのが普通になっていますが、実は過去にはBGMをかけていた時代がありました。
西松屋では2006年ごろまで童謡やアニメの主題歌、同社のCMソングなどを店内BGMとして使用していたそうです。
しかし店舗運営の利便性の向上や効率化のため、慣習になっていた業務が本当に必要かどうか、見直しが行われたそうです。
他にも西松屋は業界常識を覆す大きな改革を数多く行っています。
西松屋の改革
BGMの廃止
「視察に行ったアメリカのチェーンストアではBGMはかかっていない」「BGMがあると、買い物の邪魔になるんじゃないか」など
実際の店舗で実験した結果、売り上げ減や利用者からの苦情といった問題は生じなかったため、全国的に店内BGMを流さないことにしたそうです。
ワゴンセールの廃止
「ぐちゃぐちゃになってしまって見づらい。陳列整理にも時間がかかる」「通路の邪魔になっている」といった理由で、廃止することになりました。
マネキンの廃止
アパレル業界では当たり前のマネキンを使った服の展示についても「着せ替え作業に時間がかかる」といった理由から取りやめることになりました。
店内BGMが流れなくなった本当の理由
1. コスト削減
西松屋が店内でBGMを流すためには音楽のライセンス料や音響設備の維持費用がかかります。
新規出店の際に店内にBGMを流すための設備が不要になるなどの経費節減効果
コスト削減の一環として、BGMの提供が中止された可能性があります。
2. 顧客の要望
やはり、お客様は赤ちゃん連れのお客様や妊婦さんですので、店内BGMがうるさいと感じることがあり、静かな環境を好むことがありました。
これに対応して、店内BGMを止めることで、その要望に応えた可能性が考えられます。
3. 競争環境
買い物客は他の競合店と比較して、商品や価格にフォーカスすることが増えています。
そのため、店内BGMが実際に購買行動に与える影響が限定的である可能性があり、BGM提供を削減することで目で見たり手で触ったりする事に集中できると判断されたようです。
店内にお客さんが少ない理由
実はわざとにお客様を減らしています(驚)
「店内がすいている方がお客さんは落ち着いて買い物ができて満足するし、従業員も働きやすいからいいんです」
西松屋の大村禎史会長は社長時代の2012年12月に、朝日新聞の取材で答えています。
お客様の為
店内の1通路につき、お客さんが常に1、2組いるかどうかの状態がベストだといいます。
あえて「ガラガラ」の状態を保つことで、子ども連れがベビーカーを押しながらでもじっくり店内を回ることができます。
従業員・会社の為
お客様が少なければ少ない従業員でも無理なくお店を運営できます。
また、チェーンストアでのマニュアルの遵守や忙しさの均一化により作業の標準化が可能になります。
少ない人数と時間でマニュアル通りに効率良く作業出来れば、コストも低く抑えられ会社に残る営業利益も多くなります。
混雑を調整
店が繁盛して「混雑」するようになったら、近くに新しくお店を作りました。
この循環を繰り返すことで、1985年には本社のある兵庫県中心に25店ほどだった店舗は、今では1090店(2023年8月時点)にもなりました。
流行りを先取り
他にも西松屋は流行りものを沖縄の店舗で見つけて、それを全国に展開するそうです。
季節は沖縄からやってきますので、沖縄で販売実験を行い、売れている商品を全国展開するそうです。
凄く理にかなっていますし、合理的ですよね。売れるかどうか分からないアパレルを売れる確率が高い商品を揃えるんですね。
早い段階からビッグデータの活用を行っているようです。
革新的な思考を持った集団
良質な商品を低価格で販売する。
店内を混雑させない。
こうした西松屋の経営スタイルを維持するには、無駄を省き、1店舗あたりの運営にかかる費用や労力を抑えることで可能になります。
「お客様にとって便利かどうかを常に考えながら、今後も時代によって変化していくニーズに応えていきたい」と答えています。
このような考えを持った会社はそう多くはありません。
キチンと海外や先人から学び、理論を学び、現場で検証する
だからお客様の指支持があり、店数が増えるんでしょうね。
あとがき
やはり伸びる会社って少し変わった事をする事がありますよね。
でもその変わった事が、実は本質だったりしますよね。
そんな会社があれば、調べてみると面白いかもしれませんよ?
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