5つの短編小説が連なった本になります。
主人公はどの章も30代以上の女性達です。
心の黒い部分が色濃く出ている作品で、短編小説ながら読んでいると、風景が見えてきて、そこに自分が俯瞰で見ている。
そんな不思議な体験をさせてくれる本でした。
どんな話?
「昭和、平成、令和の男と女のカタチを切り取った過激な短編集」。
その時代での夫婦のカタチがよく表されていた短編集です
6つの独立した短編小説
①悪い妻
バンド活動を続ける夫に妻は嫉妬し、自分の悪口を陰で言われているのを知り、現実と違うことに奮起して、彼女自身が行動に移します。
②武蔵野線
妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る壮年の男性の生き方、その若い女の話を元妻と話すのだが、元妻は驚きの言葉で答えを返します。
③みなしご
妻を亡くした男が自身の持っている資産である借家アパート。そこに住む住人女性と寂しい者同志生活を送ろうとするのだが、その女性に驚きの真実が!
④残念
高嶺の花だった女性が社内で声をかけてきた男と妥協して結婚したものの、選ばなかった男が出世した話を聞き、すごく悔やみ、その葛藤と思想が黒い空想を産んでいきます。
⑤オールドボーイズ
単身赴任していた夫が事故死してから12年。一緒に行かなかったことに後悔は無かったが、姑に責められ、親戚関係に嫌気がさし出した最中、夫の元上司だった男性が近づいてくるのだが。。。
⑥もっと悪い妻:
ダブル不倫の話
夫がいながら、結婚している元カレと公然と会う妻の話で、その思考と論理は倫理観に背いており
不倫が悪いことだと思わない妻は大事な親友だからと夫に伝えるし、夫も煮え切らない態度を取ります。
不倫相手と不倫している自分の考え方の違いが面白く表現されており
最後には驚きの結末が残されています。
読み終わった感想
文字も大きく、読み終わるのに1日かからなかったですね。すごく読みやすくて登場人物も少なく話にのめり込みやすいです。
女性目線のドライだけど現実的な話が多く、男性諸君には新鮮だけど怖い内容が多く含まれていました。
最後は読者の想像力を膨らませる内容で、終わりを迎えます。中には「え、これで終わり?」と思われる方がいると思いますが、これがこの本、著者の良いところだと思います。
一応伝えておきますが、この本を読んだ理由は図書館の「貸し出しランキング」で上位だったからです。
たまには、色んなジャンルに手を出しても面白いですね。
もし、話に興味が湧きましたら是非読んでみてください。ストレスが発散されるかも知れませんよ?
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